決算書は世の中の誰もが閲覧できる情報

また割算思考を用いることで決算書上には直接記載されない項目の分析も可能になります。例えば、「有利子負債÷営業CF」からは、企業の借り入れが何年分の営業活動によって返済可能かがわかります。これが5(年)を超えるならば、借り入れの割合が多く、財務活動を見直す必要があるかもしれません。

また、仕入れから売り上げにつながるまでの期間「在庫回転期間」や、売り上げの発生から現金化につながるまでの期間「売上債権回転期間」からは企業の安定性・効率性がわかります。

上場企業の決算書は世の中の誰もが閲覧できる情報です。分析手法を身につけて、企業の課題分析のために積極的に活用してみましょう。

木村俊治
木村会計事務所代表
公認会計士、税理士。神戸大学経済学部卒業。主な著書に『1分間決算書』『決算書が読めない社員はいらない』(ともにクロスメディア・パブリッシング)などがある。
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