あなたは予算書・決算書を正しく理解できているだろうか。「プレジデント」(2018年3月19日号)の特集「会社の数字、お金のカラクリ」では、そのポイントを8つのパートにわけて解説した。第1回は「予算の読み方、つくり方」について――。

各項目を積み上げて、売り上げ目標を算出する

日々、ビジネスパーソンの頭を悩ませるものが予算だ。そもそも会社の予算はどのようにつくられるのか。例えば「対比型」と呼ばれる手法では、自社の前年実績と比較する「過去対比」や同業他社の業績と比較する「他社対比」という決められ方が存在する。

この対比型の予算は「前年比10%アップ!」などと一見わかりやすい。しかし、数字の根拠が不明確で社員も上からの命令だから従うという受動的な姿勢になり、モチベーションも上がりにくい。

もう1つが、最終利益を出発点に必要経費を積み上げることで予算を決める「逆算発想」と呼ばれる考え方だ。私はこの考え方をわかりやすくするため、「お金のブロックパズル」に図式化することを推奨している(図1参照)。

パズルの成り立ちを説明すると、まず右下の「利益」(900万円)を来期の返済額などを基に算出する。そこに必要な「人件費」や「その他」の設備費などの固定費、さらに材料費などの「変動費」を積み上げ、最終的な売り上げ目標を決定する。

また、図1の値を基に、「企業の予算」の成り立ちだけでなく、「個人の予算」の決められ方も推定可能なので図2を参照してみてほしい。