赤字会社の人に企画書を書いてもらうと、プランは立派なのに、「いくら儲かるか」が書かれていないことが多い。これまで2000社超の赤字企業を再生させてきた長谷川和廣氏は「利益についての発想がスッポリ抜け落ちている『お役人型ビジネスパーソン』では困る。仕事は利益ありきで考え、そのために必要なコストを逆算すべきだ」と説く――。
※本稿は、長谷川和廣『2000社の赤字会社を黒字にした社長のノート』の一部を再編集したものです。
「利益を出す!」という発想が抜けている人が意外に多い
以前、私が再生させたあるメーカーで、セールスプロモーションのための店頭イベントを開催することになりました。イベントの成否は主婦層をどれだけ集客できるかにかかっています。
担当者からプランが上がってきたとき、それは一見完璧なものに見えました。集客法や雨天の場合の対処法まできちんと練り上げてあったのです。
しかし……、そのプランには「いくら儲かるか」という記述が、どこにも見当たらなかったのです。
冗談のような話ですが、利益についての発想がスッポリ抜け落ちている「お役人型ビジネスパーソン」は意外に多いものです。
そしてその大半は、自分がそうだということにまったく気づいていません。特に赤字会社の社員にこの手の企画書を提出させると、半数以上に利益に関する記述が見られないことも珍しくないのです。「いくら儲かるのか?」を常に考えることが仕事人の基本です!
利益を生むため口ぐせとは?
あなたが上司という立場であるなら、良い会社にするために立ち上がらなければならないケースが多々あるはずです。しかし、組織の壁は厚い。足の引っ張り合いは日常茶飯事。また現実問題として、昇進するにしたがって無気力になる人も多いはずです。しかし、利益を生むシステムを作るために、やるときは断固やるべきです!
そんなとき、私は次のような口ぐせをつぶやきます。
・不人気を覚悟する
・ためらわない
・ひるまない
・誠意を持って、事に当たる
・毅然とした態度を貫きとおす
・忍耐強く行う
改革への決断、実行への強い意志、結果への覚悟が必要なのです。同時に明確な改革目標を部下に理解してもらい、達成への明るい見通しを示さなければなりません。