ビジネスの極意は相手の支払い能力の見極めにあり

あなたは営業というのは取引先に商品を売り込み、請求書を送ったらそれで終わりと考えてはいませんか?

実はこのタイプほど、会社にとって危険な営業マンはいないのです。理由は、相手の支払い能力についてノーケアだから。しかし順調なときは、この問題は顕在化しません。

でも、これが怖い!

不景気のときには、支払いのちょっとした遅れや貸し倒れなど、あなた自身の失点に直結する落とし穴が待っているからです。

私は昔からお客様を支払い能力によって、5段階に分類していました。支払いが1カ月でも遅れたところは現金着払いでないと商品を渡さない、などといったことは日常茶飯でした。常に取引先の支払い実績に注意を払い、そしてそれに沿った対応をすることが肝要なのです。お金のないところから、どう回収するのかがビジネスでは一番難しい仕事なのですから……。

「初めにコスト削減」ではなく「初めに利益ありき」

市場競争が激化すると、企業間ではいかにコストをカットするかの競争にシフトしていきます。もちろん収益を確保するためには、コスト削減は必要不可欠です。

しかし、コストを削減した結果、売り上げや利益が下がってしまったという企業も珍しくありません。接待を禁止したせいで大口の取引先を失う、人件費削減のためにリストラしてその分をアルバイトで埋めようとしたら、彼らの能力があまりに低くて現場が混乱したなど、本末転倒のコスト削減は枚挙にいとまがありません。

実は、真にコストパフォーマンスを求めるということは、「最小の投資で最大の利益を得る」では不正解。「最大の利益を得るために、必要な投資を最大限に行う」というところから考えるべきだと、私は思います。

企業がまず考えるべきは、「初めにコスト削減」ではなく「初めに利益ありき」ということ。私は細かいコスト削減も徹底的に行いましたが、同時に問屋筋の皆様をハワイ旅行にご招待するなど、業界中が驚くような大胆な投資も行ってきたのです。経費としては交際費になるのでしょうが、実際には「人」に投資していると言えます。