おまえしかない――。空前の巨大施設を託されたのは、農家と語り科学者をその気にさせる営業のプロ。まずは社内公募で「全員素人」の女性部隊を編成し、ファッションやスイーツ店を開拓していった。

「これだけでかいと支店では“料理”できない」

「つくばの例の土地、うちに決まりそうなんだ。おまえ、やってくれないか?」

猛暑が続いた2005年の夏。東京・飯田橋の大和ハウス工業東京支社で、直属の上司に「ちょっと」と呼び出された佐々木健雄は、その言葉を聞くなり即座に返答していた。