学校現場はとにかく忙しい。特に公立中学の場合、教師は「教えること」に専念できないほどだ。窮余の策として注目されるのが「塾と公教育の連携」。そのきっかけは1通のDMだった――。

「対象は吹きこぼれ」藤原校長の逆提案

<strong>河合尚男</strong>●企画営業部責任者。1959年生まれ。82年日本大学国際関係学部卒業。同年日本生命に入社し法人営業などを担当。87年電設資材会社に転じ営業部で管理職。2003年大手不動産会社のFC本部に移り、加盟店の新規開拓で年間新記録を達成。06年サピックス中学部・高校部を運営するサピエンス研究所に入社、以来現職。
河合尚男●企画営業部責任者。1959年生まれ。82年日本大学国際関係学部卒業。同年日本生命に入社し法人営業などを担当。87年電設資材会社に転じ営業部で管理職。2003年大手不動産会社のFC本部に移り、加盟店の新規開拓で年間新記録を達成。06年サピックス中学部・高校部を運営するサピエンス研究所に入社、以来現職。

08年12月のある日。東京・杉並の静かな住宅街に、日が暮れてもなお煌々と灯りの点る建物がある。区立和田中学校の教室で、夜7時から授業が行われているのだ。底冷えのする廊下に問題を読み上げる教師の声が聞こえてきた。教室を覗いてみると、制服や私服、まちまちの格好をした中学生が20人弱。黒板にグラフを書く教師の手元を追いながら、数学の問題を解いている。といっても、教壇に立つのは受験塾サピックスの講師だ。

「まさか、本当に決まったのか」