タワマンに住むにはどれくらいのお金が必要なのか。首都圏のタワマンで管理組合の理事長を務めた経験がある作家・竹中信勝さんは「ローンの返済だけでなく、管理費、修繕積立金、駐車場代といった高額な維持費を毎月支払わなければいけない」という――。(第1回/全2回)
※本稿は、竹中信勝『タワマン理事長 ある電通マンの記録』(ワニブックス)の一部を再編集したものです――。
豪華なジムやラウンジを維持するのは住民
タワマンに住まう夢のような暮らしと引き換えに、住宅ローンの返済という現実が容赦なく迫ってくるだけでも大変なのですが、追い討ちをかけるように各種費用がつきまといます。
管理費は、マンション全体の共用部分(エントランス、エレベーター、廊下、共用施設など)の維持管理に使われる費用です。タワーマンションではプールやジム、ラウンジ、ゲストルームなどの豪華な共用施設が備わっていることが多く、それらの維持費用が管理費に反映されて高額になる傾向があります。
24時間対応のセキュリティ体制や、オートロックシステム、防犯カメラの設置など、住民が安心して過ごすための設備が整えられているため、運用コストも高くなるのです。
そして、タワマンといえばエントランスに華やかなコンシェルジュがいるところも多くあります。コンシェルジュや管理人、警備員など、人件費も他のマンションに比べると高額に。人件費も管理費に含まれるので、必然的に金額が上がっていきます。
将来に備えて住民みんなで積み立て
修繕積立金も、管理費と並んで必要になる費用です。将来の大規模修繕に備えて蓄えておく資金ですが、タワーマンションは建物の規模が大きいため、修繕費用も高額になります。
外壁の修繕や、エレベーター、給排水設備の更新など、建物全体の大規模修繕には多額の費用がかかります。住民みんなで少しずつ積み立てて費用を出し合うにしても、なかなかにパンチが効いた金額です。修繕積立金を適切に蓄えておくことで、将来、修繕を行う際に追加負担を避けることができます。
そのために、修繕積立金も比較的高額に設定されるのです。タワーマンションでは修繕積立金が毎月数万円になることも珍しくありません。