安定供給元を確保できなければ、ニッポンの食卓からマグロが消えてしまうかもしれない――。そんな危機感を胸に抱き、男はついに決意した。壮大なるプロジェクトに賭けた情熱と勝算とは――。

「砂糖か、マグロか」迫られた人生の決断

「おっ、行った行った!」

<strong>半澤淳也</strong>●水産流通部第一課課長代理。1971年、福島県生まれ。94年東京大学文学部卒、旧日商岩井入社。砂糖コーヒー部に配属し、2001年より4年半、英国駐在員に。06年に帰国し現職。08年9月より双日ツナファーム鷹島の取締役を兼務。
半澤淳也
水産流通部第一課課長代理。1971年、福島県生まれ。94年東京大学文学部卒、旧日商岩井入社。砂糖コーヒー部に配属し、2001年より4年半、英国駐在員に。06年に帰国し現職。08年9月より双日ツナファーム鷹島の取締役を兼務。

濡れた甲板に膝をつき、船端から一心に海面を凝視していた男が小さく声を上げた。活魚船の側面に開いた小さな穴から、直径30メートルの生簀の中へ弾丸のように飛び出していくのは、体長40センチほどのクロマグロの幼魚、ヨコワ。体側に横縞があるため、こう呼ばれる。

長崎県松浦市鷹島町――。