原料の高騰による値上げが相次いだ2008年、存在感を増したのがプライベートブランド(PB)。北関東の小売りの雄、カインズがメーカー品の半値でヒットPBを生み出す秘訣は「使う立場からの開発」だった。

筋金入りの流通マンが手がける「ものづくり」とは

「モノがあったほうが(話が)早いですよね。ちょっと待っててくださいね」

<strong>茂原直樹</strong>●HC商品部・家庭用品部 マーチャンダイザー 群馬県生まれ。1987年<a class=明治大学卒業後、いせや(現ベイシア)入社。HC富岡店に配属。カインズホーム黒磯店店長、キッチン用品バイヤー等を経て2000年、家庭用品事業部長に。この頃よりPB商品づくりのため海外工場の開拓を始める。08年、家庭用品部のマーチャンダイザー(原材料調達、商品開発から販売までの全工程を管理する商品のスペシャリスト)に就任。" src="https://president.ismcdn.jp/mwimgs/f/2/-/img_f23935daf8fb9412b38f0359780bddac38352.jpg">
茂原直樹 
HC商品部・家庭用品部 マーチャンダイザー 群馬県生まれ。1987年明治大学卒業後、いせや(現ベイシア)入社。HC富岡店に配属。カインズホーム黒磯店店長、キッチン用品バイヤー等を経て2000年、家庭用品事業部長に。この頃よりPB商品づくりのため海外工場の開拓を始める。08年、家庭用品部のマーチャンダイザー(原材料調達、商品開発から販売までの全工程を管理する商品のスペシャリスト)に就任。

HC(ホームセンター)大手、カインズ(本社・群馬県高崎市)の茂原直樹さんの長身のスーツ姿は、取材中に何度かフロアから消えた。

待つことしばし、両手にフライパン、おたま等々家庭用品を抱えて戻ってきた茂原さん、それらを目の前のテーブルに並べると、一つ一つ手に取って、PRポイントを指し示しながら語り始めた。

「このフライパン、アップハンドルになってるんで、重ねられるんですよ、こうやって(大小3枚のフライパンを重ねる)、簡単に。収納にも便利。うちの扱ってる最高機種です」「売れ筋の(フライパンの)26センチは1980円なんですけど、他社のPB(プライベートブランド)でこれをやれば3000円くらい平気でしますよね」……その没入ぶりと邪気のない笑顔に引き込まれ、私は思わず何度も相槌を打った。

茂原さんが手がけるのは、同社が北関東を中心に全国展開するHC「カインズホーム」のPB「カインズ@ホーム」。PBとは、流通各社が独自に開発した一連の商品群のこと。NB(ナショナルブランド、メーカー品)とほぼ同等の品質でありながら、価格は大幅に安い。