遂に誕生した日本発の「世界最強車」日産GT-R。その開発責任者の座を一度は拒絶した「自動車づくりの棟梁」はなぜ立ち上がったのか。そこには、ある神がかり的な“偶然”が……。

もう、演歌や浪花節のGT-Rじゃダメ

「いきなり本題から入っちゃうけど、キー・エッセンスって、やっぱりMADE IN JAPANなんだよ」――のっけから、堰を切ったように言葉が溢れた。

「日産GT-Rというより、まさしく“ニッポンGT-R”なの。ブランドって、僕はナショナリティだと思ってる。土地と、そこに住む人の智恵なんだよ」