あるときは大河ドラマで武将を演じ、あるときは武道館で熱唱する。原点はデビュー以来持ち続ける「体制」への反発にあった。愛読書は中国古典というロッカーの素顔とは。

「40くらいで人生折り返し、なんてよく言うけど、スゴロクじゃあるまいし、折り返してどうするんだよって思うんですよ」――都内事務所の一室。頭にタオルを巻いたラフな姿ながら、ソファに浅く腰かけた、長身でがっしりと肩幅の広い体躯。44歳になっても変わらぬ存在感は、紛れもなく歌手・吉川晃司その人だ。