情報の「分母」を変える仮説力

人気シリーズの『相棒』が映画になった。主演の水谷豊、及川光博に加え、小西真奈美、宇津井健らがゲストとして登場。犯人役の小澤征悦の演技が秀逸。©2010『相棒-劇場版II-』パートナーズ
人気シリーズの『相棒』が映画になった。主演の水谷豊、及川光博に加え、小西真奈美、宇津井健らがゲストとして登場。犯人役の小澤征悦の演技が秀逸。©2010『相棒-劇場版II-』パートナーズ

情報には「分子」と「分母」がある。例えば、「寒い」という分子の情報に対し、分母が「冬」か「夏」かで意味が変わる。事件捜査でも、同じ分子の情報に対して分母を変えると手がかりの意味が変わり、謎が解ける。右京の仮説づくりの特徴的な方法だ。

犯人に「完全なアリバイ」があったとする。それは情報の分母である犯行現場がA地点だった場合だ。ここで分母を変え、B地点だったとするとアリバイは崩れる。その手がかりを探し、証明するといったやり方だ。

分母を変える発想はビジネスでも重要だ。例えば、「完売」は分母が売り手だと廃棄損失ゼロで「儲かった」になる。しかし、分母を買い手に変えると「ほしい商品が買えない店」と意味が変わり、機会損失が生じていることになる。われわれは常に分母を売り手から買い手に変え、仮説を立てる発想力を持たなければならない。

(岡倉禎志=撮影)