すかいらーく役員報酬5億円超の破格
主な外食チェーンの社内取締役の平均年俸を推定してみた。12月期決算企業は16年度についても開示を始めているが、3月決算の場合、社内取締役へ支給された年俸が明らかになる有価証券報告書の開示は、おおよそ6月末である。14年度と15年度で見てみた。
日本マクドナルドHDの社内取締役の平均年俸は、14年度9825万円、15年度5766万円である。15年度は、前年度にあった前会長への報酬3億3900万円(子会社からの支給分を含む)がなくなったことで平均額は下がっているが、サラ・カサノバ社長兼CEOの報酬そのものは、赤字にもかかわらず対前年比6000万円アップの1億6700万円だった。3期ぶりに最終黒字へ転換したことで、16年度は大幅アップの2億7600万円。平均も6483万円に増額である。
『図解! 業界地図2017年版』で、「外食産業の大きなトレンドのひとつは、ハンバーガーなどファストフード店とファミリーレストランのポジションの逆転だ」と指摘したが、それは経営陣の年俸でも明らかなようだ。
外食王座の地位をマックから奪い返した形のすかいらーくは、社内取締役の年俸でもマックを大幅に上回る。「ガスト」などの店舗を手がける同社の15年度経営陣の年俸は、会長が8億6200万円、社長が4億5800万円、取締役執行役が2億3000万円で、3人の平均は5億円を超した(16年度は会長3億3000万、社長2億100万円)。
年俸1億円以上の社内取締役が11人のファナックの平均額は3億円台である。豊田章男社長以下、年俸1億円超の経営陣が8人を数えるトヨタ自動車、それに10億円強の年俸を得ているカルロス・ゴーン会長兼社長がいる日産自動車の平均は2億円台。23人の執行役全員が1億円以上の年俸だった三菱電機の平均額は1億円台である。
実際の支給金額ではなく、将来的な支給に備えた費用計上額を含めた平均だが、すかいらーくの15年度5億円超というのは、おそらく日本一である。