6. 足りない時間はお金で買う
グローバル環境で活躍することを目指して語学を身につけたいが、忙しくてなかなか時間をかけられないという悩みをよく聞く。学生のように大量の時間を割くことは難しい。社会人が外国語をマスターするには、短時間で成果を出す勉強法を実践する必要があるだろう。
効率的に外国語を身につけたければ、お金を払ってスクールに通うことが最低条件。理想はマンツーマンのスクールだ。先生はたんにネイティブであるだけでなく、トップクラスの教育を受けていることが望ましい。そうなると先生にふさわしい人材が限られて、料金も跳ね上がるが、それでもかまわない。学習にかけられる時間には限りがあるのだから、足りない時間はお金で買うしかない。
私は現在、チェコ語を週に1時間15分習っている。チェコ出身の宗教改革者ヤン・フスの『教会について』は英訳があるが、古くて間違いが多く、改めて原著で読みたいと思ったことがきっかけだ。いま日本で中級レベル以上のチェコ語を教えられる人は5人ほどしかいないが、何とかその中の1人に家庭教師になってもらい、1時間1万円の授業料を払っている。先生は通訳すれば1時間3万円取るプロフェッショナルなので、1万円でも安いくらいだ。
気をつけたいのは、いい先生がいても個人契約でやらないこと。契約はスクールを通して結び、場所も自宅や喫茶店などのカジュアルな場所でなく、教室を使うことが大切だ。友達感覚で教えてもらっても効果は薄い。緊張関係を持って学んだほうが上達は早い。
(宇佐美雅浩=撮影)