- 【第2回】RADWIMPSの曲を聞くのが怖かった…「君の名は」主題歌が世界的大ヒットの中、ドラマーだけが棚田にいたワケ
- 【第3回】もう一度、ドラムを叩きたい…"不治の病"になった男が「研究者」としてRADWIMPSのステージに戻るまでの3748日間
人生の転機はいつ訪れるかわからない。ロックバンド「RADWIMPS」のドラマー山口智史さん(41)は、2015年、持病の悪化から無期限の休養を宣言した。山口さんは当時を「自分の人生が丸ごと奪われた」と語る。精神疾患も併発し、心身ともに限界だった山口さんを救ったのは、妻の意外なひと言だった――。(第1回/全3回)
人気絶頂期に入ったロックバンドで起きた異変
中学時代に友人たちとバンドを組んでドラムを始め、大学生のときにロックバンドRADWIMPSに加入してプロデビュー。あっという間にスターダムへ上り詰め、若くして成功したミュージシャンのひとりと相成る……。
これが10代から20代にかけての、山口智史さんの軌跡だ。
人もうらやむ、華やかな経歴と言えそうだ。このまま音楽の世界で順調にキャリアを重ねていくのだろう、だれもがそう思っていた2015年、山口さんの前に暗雲が立ち込めた。
メンバーと議論の末、RADWIMPSの活動を無期限休止することとなってしまったのである。
わがままを言ってごねたわけでもなければ、音楽性の不一致で揉めたわけでもない。もっと、止むに止まれぬ理由だった。山口さんは当時、活動休止を申し出ざるを得ないほどの、身体の不調に襲われていた。
原因は、ミュージシャンズ・ジストニアだった。楽器を演奏する際に、本人の意図しない筋肉の収縮やこわばりが、突然起きてしまう病だ。

