1. 情報はすべて1冊のノートに

1カ月のスケジュールは、コクヨのキャンパスノートに書き込んで管理している。使うのは、1カ月につき見開きの2ページ。見開きの左側に原稿の締め切りを書き、右側にはアポの予定を書き込む。ノートを見開きで使うのは、締め切りを睨みながらアポを入れるから。たとえば、左側を見てたくさんの締め切りが重なっている日は、物理的にアポを入れることができない。

2002年から予定や日々の記録をつけ始め、現在140冊に。

ノートは1~2カ月で1冊を使い切るが、スケジュール管理ページは4カ月分用意する。たとえば5、6月に使うノートなら、5~8月分まで締め切りやアポの予定を書き込む。直近だけでなく2~3カ月先まで書き込んでおけば、先を見据えた管理ができる。

予定はデジタルで管理したほうが効率的だという人もいる。私もそう考えて試した時期があったが、かえって時間がかかって効率が落ちてしまった。チームでスケジュールを共有しなければいけない立場の人はデジタルが便利かもしれない。しかし、私のように個人で完結して仕事をしていると、予定の共有は必要ない。

スケジュール管理以外のページには、あらゆる情報を書き込んでいる。メインはその日あった出来事の記録だが(詳細はポイント3で後述)、そのほかに、今日やらなくてはいけない仕事のリストや、移動中にふっと思いついたアイデアを書き入れたりもする。ロシア語の練習帳として使うこともある。日々発生するあらゆるメモを、このノート1冊に書き込むイメージだ。

じつはメモの検索も、アナログのほうが速い。いわゆるビッグデータになればデジタルのほうが情報検索は有利だが、仕事をするうえで遡って読むメモは、せいぜい100日前まで。その量ならアナログで十分だ。

とはいえ、デジタルツールを頭から否定するつもりはない。私もDropboxに単行本のゲラを入れたり、名刺や紙の資料をスキャンしてEvernoteで保管している。大切なのは、DropboxやEvernoteを資料のゴミ箱にしないことだ。デジタルツールは物理的な限界がなく情報を貯め込めるが、後で使わない情報をとっておいても意味はない。自分が消化できる情報容量を考えたうえで、入れる情報の取捨選択をしよう。