60代以降の人生の課題は「健康」と「お金」。尽きない不安とどう向き合えばいいのか。経済ジャーナリストの荻原博子さんと医師の鎌田實さんの対談から日常生活の中で簡単にできるお金に好かれるための習慣を紹介しよう――。

※本稿は、荻原博子、鎌田實『お金が貯まる健康習慣』(主婦の友社)の一部を再編集したものです。

一万円札の束を数える手
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「まずは5キロやせましょう。それだけで寿命が1年延びますよ」

【荻原博子(以下、荻原)】私、5年ほど前にひどい腰痛に悩まされた時期があったんです。椅子から立ち上がろうとした瞬間に、腰がハンマーで殴られたみたいに痛くなって悲鳴を上げてしまいました。人生であんなに痛い思いをしたことはないっていうくらいです。

【鎌田實(以下、鎌田)】それは大変だ。原因は?

【荻原】初期の座骨神経痛でした。座り仕事ばかりで、運動不足が原因です。私は1日8時間、忙しいときには12時間以上もパソコンに向かっているんです。仕事でなくてもパソコンで映画を見たり……。運動なんて朝晩の犬の散歩くらいだったんです。

【鎌田】確かに腰に負担がかかりそうな生活ですね。1時間に3分でいいから、体を動かすようにしたほうがいいんだけどね。

【荻原】おっしゃるとおりです。でも原因はもうひとつあって、体重が増えたことで腰に負担をかけているとも言われました。医者が「まずは5キロやせましょう。それだけで寿命が1年延びますよ」って。

【鎌田】正解です。体重が重すぎていいことは何もない。

【荻原】やはりそうなんですね。調べてみると、アメリカでは平均寿命より早く亡くなる人の5人に1人は太りすぎだそうです。それで「やせよう!」って決めたんです。

【鎌田】それは立派ですね。何歳のとき?

【荻原】68歳のときです。実を言えば、50代のときにははりと断食で20キロやせた経験があるんです。でも結局、「食べないダイエット」は長続きしないんですよね。それで今回は、「夕食は夜8時までに食べ終えて、翌朝10時までは何も食べない」「食事は野菜中心にして、主食は玄米」「間食はなるべくしない」という3つを実践しました。

【鎌田】いいですね。厳しい食事制限をしちゃうと、ストレスもたまるし、生きる楽しみがなくなっちゃうからね。

【荻原】そうなんですよ。だから今回は少しゆるめにしてみたんです。それでもちゃんとやせたんです。

【鎌田】ぼくも60代後半のときに80キロになって、72キロまで体重を落としたことがあったんです。軽い脊柱管狭窄症があって腰痛にも苦しみました。ぼくの場合、筋肉を鍛えることで改善したし、体重も落ちたんですよ。

【荻原】体調をくずすと、あらためて「健康こそ財産」「健康こそ節約」と思いますね。私はそれで『5キロ痩せたら100万円 「健康」は最高の節約』(PHP新書)という本を書いたくらいです(笑)。

【鎌田】5キロやせたら100万円? それはどういう計算式なの?