結果が出るクラブにプロもメロメロ

世界最大のゴルフ大国である米国で今、最も注目を集めているゴルフブランドが「PXG(Parsons Xtreme Golf)」だ。世界最大のインターネットのドメイン登録会社「GoDaddy」社を創業した、IT長者のボブ・パーソンズ氏が設立した。

ボブ・パーソンズ
1950年、米国・メリーランド州生まれの実業家。GoDaddy社創業者で、2011年に所有株式の一部を売却することにより億万長者に。ベトナム戦争で負傷し、横須賀に運ばれたため、「実は来日は2度目」と本人談。

パーソンズ氏は大のゴルフ好きであり、年間数千万円ものゴルフクラブを買い漁っていたが、既存の製品には満足できなかった。「とにかく世界最高のゴルフクラブを作りたい」という思いで、私財を投入して開発費に糸目をつけないクラブ作りに乗り出した。

そのゴルフクラブが2014年秋に完成すると、性能の高さでたちまち話題となり、プロゴルファーの中にも大手ブランドから「PXG」に契約を切り替えてツアーを戦う選手たちが現れた。そして今年5月には2人の契約選手が優勝を果たし、性能の高さを裏づける結果となっている。

PXGが日本上陸を果たし、創業者のパーソンズ氏が来日した。米国でも指折りの億万長者に、ゴルフでビジネスの成功を収める秘訣を聞いた。

まず、日本ではビジネスを円滑にするためにゴルフを一緒にプレーする「接待ゴルフ」という文化があるが、米国でそのようなビジネス慣習があるか聞いてみたところ、日本とは少し趣が異なるようだ。

「ビジネスマンやビジネスウーマンがお互いのことをよく知るためにゴルフを一緒にプレーすることはよくありますが、たとえばビジネスの契約の話がゴルフコース上で行われるというのは、私は信じていませんね」

だが一方で、もっと大事なことがゴルフコースで話されているのではないかと、パーソンズ氏は言う。

「ゴルフというのは非常に面白いスポーツで、同じ人と何回かプレーをするうちに、その人の一番良いところや、時には一番悪いところも見えてきます。それによって、信頼関係や友情関係を築くことができるのです」

日本の「接待ゴルフ」は、仕事の取引先をゴルフで“いい気分”にさせて契約にこぎ着けるというイメージがあるが、アメリカにおいてはむしろ真の人間関係を構築するために最適なスポーツだと言う。