自らを「ゴルフジャンキー」と呼ぶパーソンズ氏が本格的にゴルフを始めたのは、1984年に起業したコンピュータのソフトウエア販売会社が軌道に乗った頃で、30代後半だという。
会社の利益が増えてきて、金銭的にも時間的にも少し余裕が出てきたので、毎週水曜日に社員同士でゴルフへ行くようになった。ゴルフの回数を重ねていくうちに、社員同士がお互いのことをよく知るきっかけになり、それがビジネスの成長にもつながったという。現在のビジネスパートナーと知り合うきっかけになったのもゴルフだった。
「ビジネスで成功するためには、お客様をハッピーにする前に、社員がハッピーにならないといけません。社員が会社に対して情熱を持ち、会社の商品に対して情熱を持ち、その気持ちを商品に乗せることによって、それがお客様にも伝わると思います」
このようなビジネス観を持つパーソンズ氏にとって、ゴルフが社員の情熱を高めるために大きな貢献をしてくれたと感じたのだろう。また、ゴルフでいいスコアを出すための考え方が、ビジネスでいい結果を出すための考え方と共通する部分もあったという。
「ゴルフはスコアを予想したり、ミスショットを引きずったり、次のショットのことを考えたりすると、うまくいきません。今、どういうショットを打つかということに意識を集中することが大事です。ビジネスでも、昨日のことを思い出して後悔したり、翌日のことを考えて心配したりしても、いい結果にはつながりません。今、楽しく仕事ができているということにフォーカスすることが重要なのです」
そして、ゴルフの「スコアを予想する」という部分をビジネスになぞらえて、こんな考え方も教えてくれた。
「私がビジネスのときに心がけているのは、利益を求めないことです。ビジネスにおける自分の目標は、お客様にとって自分が最高のパフォーマンスをすること。それが唯一の仕事です」
ゴルフでスコアを予想しても、そのスコアでプレーできることがほとんどないように、ビジネスで利益を予想しても、予想通りに収益を上げられることはほとんどないという。