EQを超えるSQとは?

「SQ」リーダーシップに不可欠な7つの要素
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「SQ」リーダーシップに不可欠な7つの要素

昨秋以来、多くの企業は売り上げが前年比3割も4割も減少する異常事態に見舞われている。この非常時、ビジネスマンはどんなスキルを持つべきか。

企業幹部へのコーチングを手がけるヘイコンサルティンググループの本寺大志シニアコンサルタントは「いまは小手先のスキルでレベルアップを図る時期ではありません。部下を持つマネジャー・クラスならSQ(社会性の知能指数)を磨くべきです」と断言する。

「10年ほど前からビジネスの現場で注目されているのがEQ(心の知能指数)ですが、行動神経科学の最新の知見をもとにEQをさらに発展させたのがSQです。最近はとくに上からの押し付けで組織を動かそうとしても限界があります。そのため『共感力』や『思いやり』が新しい要素として加わっています。マネジャーの能力に落とし込めば、部下との良好な関係を構築できる能力ということです」

背景にあるのは次のような現状認識だ。

「猛烈な逆風下にあるので、優秀な人でも好成績を挙げるのはたいへん難しい。いまは個人プレーを封印し、組織の活性化を図るときです。たとえばメンバー全員で知恵を出し合い、苦しんでいる人の分をみんなでカバーするというように一体感を醸成するのです。最近になって企業は『個人・短期』で業績を評価する弊害に気づきはじめ、『組織・中長期』を重視する新しい成果主義へと評価軸を変えています。そのなかで、たとえばITや英語など個人的なスキルを磨いたとしてもすぐに役立つかどうかは疑問です。むしろスタンドプレーに走りやすく、チーム内の和を乱すことになりかねません」