みんなの党代表の渡辺喜美氏が公認候補の応援で京都に出掛けたときのこと。団体旅行でやってきた中高年女性たちとエスカレーターですれ違った。ひとりが「あっ、渡辺さんだ」と声をあげると次々に手が差し伸べられ「頑張って」とエールを送ってきた。エスカレーター上という場所をわきまえないところでの握手攻めだが、政治も人気商売である。同党の支持率はうなぎ上り。新聞などの世論調査でも参院選比例区の投票先が10%近くにまで急伸している。その背景を渡辺氏は「民主党政権に対するがっかり感。自民党時代とまるっきり変わらないんじゃないかという失望感。かといって自民党にも魅力がない。既存政党から離れた層が支持してくれていると考えている」と分析する。
みんなの党代表 渡辺喜美●1952年生まれ。栃木県出身。早稲田大学政治経済学部・中央大学法学部卒業。父は故・渡辺美智雄。父の秘書を経て96年、衆議院議員初当選。自由民主党所属時は江藤・亀井派、後に無派閥。安倍政権では内閣府特命担当大臣。昨年1月、自民党を離党、8月、「みんなの党」を立ち上げる。
自民党の「官僚依存」「業界団体依存」体質に対し、民主党は「官僚配慮」に加えて「組合絶対配慮」、そして、自民党の業界団体をオセロゲームで引っくり返して自分たちにつけようとしていると指摘する。「自民党政治のグロテスクなクローンが民主党政治ですよ。だから、民主、自民に代わる『第三極』が必要なんです」。今年になっていくつかの新党が顔を出してきたが「タケノコ新党には負けない」と切り捨てる。政策のひとつが「脱官僚」。つまり、官僚統制、中央集権をやめさせること。
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(秋本 宏=編集協力 小倉和徳(渡辺、山田)、奥谷 仁(与謝野、舛添、亀井)=撮影)

