周りに比べ、自分は仕事の効率が悪いようだ。一緒に飲んだ翌日、自分は遅刻したのに、同僚は朝早くから仕事をしていた――。日々の何気ない習慣を改めるだけで、そんな悩みも解消するかもしれない。

午後3時の習慣
「集中力が増す“おやつ”とは何か」

▼摂るならどっち?
[A]ナッツ一つかみ
[B]フルーツジュース1杯

●予防医学研究者 医学博士 石川善樹先生の場合

夕方あたり、小腹が減り、気付くと息抜きがてら、コンビニに行ってドーナツとコーヒーを買っている――。これが習慣化すると、炭水化物や脂質の摂取が過多となって、例の血糖値上昇になってしまう。では、どうすれば腹の虫が治まるのか。

「間食におすすめなのは、無塩のナッツです。5~7割が脂質なので、血糖値が急上昇しません。量は手のひらに載るぐらいが目安。ビーフジャーキー、ヨーグルト、塩分が少ない商品なら鶏のムネ肉をボイルしたサラダチキンでもいい」

午後になると、疲労度もたまる。特に断続的にデスクワークが続いているときなどは、自分が思う以上にくたびれている。何時間も座りっぱなしだと、脂肪燃焼の酵素の働きが止まるという実験データもある。

「筋肉には、リポタンパク質リパーゼという脂肪燃焼に関わる酵素があります。座っている間は筋肉の収縮がなくなり、脂肪を燃焼する酵素が働かなくなります。そのことで新陳代謝が悪くなり、肥満や糖尿病のリスクを高めてしまう。パソコン仕事で使う筋肉は、主に腕。人間の筋肉の大部分は太ももや背中なので、ずっとそこを活用しないことになる」

シドニー大学の調査では1日に合計11時間以上座っている人はどれだけ運動していても3年以内に死亡するリスクがそうでない人より40%も高かった。「先進的な企業では、上下自由に動かせるデスクを導入し、自由に座ったり、立ったりして仕事をするケースも出てきています。ただ、個人が会社のデスクを変えるのは難しいでしょうから、時間を決めて、立ち上がって社内を歩いたり、足や背中の筋肉のストレッチをしましょう。社内で資料を読む際も、たまには立って読んでみてはどうでしょうか。私もよくやるのですが、集中力が増しますよ」。