スマホを利用する姿勢が骨のゆがみを招く

最近ネットニュースで「スマホ老眼」という言葉を知った。スマホを凝視する時間が長くなることで、ものを見るときに目のピントを合わせにくくなるのだそうだ。

拙著『背骨&骨盤 ゆがみを直せば若返る!』の取材では、カイロプラクティックの先生に、スマホがもたらす骨のゆがみについても聞いた。

たとえば電車の中で、スマホを見ている姿勢を再現してみてほしい。胸の高さ辺りにスマホをもち、首をやや前傾してのぞき込むような姿勢になっているのではないかと思う。この姿勢が骨のゆがみを招くのだそうだ。

人間の首の骨は本来前側にせり出す形でアーチを描いている。アーチがあることで、重い頭部を支えている。人間の頭部の重さは、体重の約8%を占めるといわれている。体重60キログラムの人なら約5キログラム。それだけの重さを首が支えているのだ。

しかしスマホを使っていると、せっかくの首のアーチがまっすぐに伸びてしまう。先端に5キログラムもあるハロウィンのカボチャをまっすぐな棒の先に突き刺して、その棒の根元をもつことを想像してほしい。すぐに腕の筋肉がつらくなるはずだ。あなたがスマホをのぞき込んでいる間中ずっと、その状態を、首の根元の筋肉が、続けているのだ。

しかもその姿勢が常態化すると、首のアーチがなくなり、いつも首がまっすぐに伸びた状態になってしまう。それを「ストレートネック」と呼ぶ。ストレートネックになってしまうと、当然常に首、肩がこる。しかも、頭部を支えるために、背骨が曲がり、いわゆる猫背になってしまう。すると、前回の記事で書いたように、胃などの内臓にまで悪影響を及ぼすことがあるのだそうだ。