足を組んで座る人は骨盤がゆがむ
会議中や駅のベンチで電車を待っているときなど、つい足を組んでしまう癖がある人は多いのではないだろうか。私もその1人。そうしていると、筋肉を使わなくても腰から下がロックされ、姿勢を保ちやすいので、楽なのだ。
しかし、たとえば右足を上にして足を組んだ状態でずっといると、そのような形に骨盤がゆがむ。右の骨盤が前に出たり、上に上がったりしてしまう。すると、人間の体は、体全体でバランスを保とうとする。
たとえば右の腰が上に上がったままだと、背骨は左に傾いてしまうので、背骨を右に傾かせ、頭が真上に来るように調整する。こうやって、骨盤のゆがみが、背骨のゆがみを引き起こすことがある。
背中の片側の筋肉が張り痛いと思ってマッサージをしてもなかなかよくならないときは、背骨が左右にゆがんでいる可能性がある。そしてその原因が骨盤のゆがみであることは多い。背中の張りをとろうと思ったら、骨盤のゆがみを直さなければいけない。
背中の張りや痛みだけですめばいい。痛みは体からのSOSである。それを放置すると、背骨のゆがみがさまざまな病気の原因になることがある。背骨を通る神経が圧迫され、自律神経系統に悪影響を及ぼすことがあるからだ。骨盤のゆがみは万病のもとなのだ(図参照)。
オフィスなどで長時間腰を丸めたような姿勢で椅子に座っている人も多いのではないだろうか。すると腰の骨のアーチが消え、骨盤が前傾したような状態になる。そして、腹部にある大腰筋という筋肉がたるみ、お腹がぽっこりしたように見えることがある。実際には太っていなくても、下腹が出ているように見えるのだ。