あなたの人生のエスカレーターは、上りか下りか?
あなたは今、どのような生活習慣を送っているでしょうか?
習慣は良い・悪いに関わらず、連鎖反応を起こすものです。つまり、好循環と悪循環の生活はパターンになっていくもの。私はそれをエスカレーターに例えます。
悪循環の1日は、本当にドミノ倒しのように悪い流れに入って抜けられない。1日が他人や自分の欲求に振り回されっぱなしで終わっていきます。こんな1日から抜け出したいと思う方のために、好循環への入り口を探す方法をご紹介したいと思います。
では、具体的な例を見ていきましょう。
入社3年目の営業マン・田中さん(仮名・25歳男性・独身)は、今日も残業。夜9時前に、家に帰ると家着に着替えてソファーに座る。テレビ(主にお笑い番組)を見ながら、夕食がわりのポテトチップスとコーラで今日の1日の嫌なことを忘れる。
ふと気がつくと、深夜1時。
慌てて入浴。結果寝るのは2時。翌日は朝7時に目覚ましが鳴る。強烈な眠気との闘いは、拷問に耐えるよう。結局、遅刻寸前まで寝ていたが、気合いで起きてギリギリに会社に向かう。
「もっと早く寝ていれば……」
休息と充電が十分とはいえない状態で、毎日、仕事が始まる。そして、まただらだら残業。家に帰るといつものようにテレビのボタンをつけて一息つくのでした。
田中さんは、まさに「下りエスカレーター」に乗っています。
下りエスカレーターは一度乗ると、終点がやってくるまでずっと下ることを意味しています。生活習慣もまったく同じ。悪いパターンに入ってしまうと、悪いと分かっていても抜けられないものです。
ここでポイントとなるのは、何が悪循環へ導くのかということを知ることです。
田中さんは、「ジャンクフロー」に振り回されています。フローとは、一般に何かに没頭できている状態を言います。「今」に意識を集中しているので、過去の後悔や未来の不安から一時的に切り離されるのです。人はストレスを感じているときに、フローに逃げ込みたくなります。
しかし、このフロー状態には2つの種類があります。
バリュアブル(価値ある)フローと、ジャンクフローです。バリュアブルフローは、時間を使って有意義だったと感じられるのが特徴です。一方、ジャンクフローは、集中はしていますが刹那的で後で振り返ると時間をムダ遣いしたと後悔してしまう傾向があります。