なぜ悪いことだと知っていても、してしまうのか?

最近、元プロ野球の清原和博選手の覚せい剤使用疑惑や巨人軍選手の賭博問題が大きな社会問題となっています。いずれも「誘い」を断れず、それに乗ってしまったことが原因です。野球選手に限らず、有名人には常にそうした密売人のようなよからぬ人々が寄って来る余地があるのでしょう。

ただ、犯罪である「覚せい剤や賭博」は別にして、このように悪い誘いや誘惑(タバコ、酒、ムダ遣いなど)に負けてしまうことは私たちにもあるのではないでしょうか?

悪い誘いから自分を守り、良い誘いが生まれるメカニズムをご紹介しましょう。

【悪い誘いは、どんな人を引き寄せているか】

悪循環は、悪い誘いに乗ることで、どんどん深みにはまることです。

ビジネスマンのAさん(30代)は仕事のストレスからタバコを吸っていました。会社でタバコを吸っていると喫煙所では仲間ができます。「タバコ部屋」の仲間で話をしていると、パチンコの話や飲み会の後のスナックの話などが話題にしばしば上がります。

タバコ部屋のメンバーとは不思議と共感できる部分が多く、部署の飲み会の後に「ウチらだけで2次会に行くか!」という流れになることが少なくない。となると、当然のようにタクシー帰り。ムダな出費が重なり、すぐさま金欠になります。さらに、寝不足。朝からぼーっとして、タバコ部屋に行くといつものメンツが顔を合わせ、昨夜の飲み会話に火がつくのでした。

【自己規律がある人は、良い人を引き寄せる】

一方、Aさんと同じ部署のBさん(20代)は、同じ部署の同期。同じ飲み会に参加しても行動パターンが違います。Aさんが朝からBさんと話をします。

A:「あの後、2次会行ったの?」
B:「いいや、田中さん達と帰って、いつものジムで走ったよ」
A:「へー、飲んだ後よく行ったね」
B:「最初の1杯だけビール飲んだけどあとはウーロン茶だったからね」
A:「ところで、何で走ってるんだっけ?」
B:「来月、駅伝があってね。練習できてないと周りに迷惑かけるから」

このBさんの職場の仲間には、駅伝チームがいます。1本のたすきを渡す駅伝で他の人に迷惑をかけられないから、ラストスパートで練習をしているのです。

Aさん、Bさんを見て分かるのは、まさに類は共を呼ぶということだろう。私たちは、気の合うタイプの似た“人種”を引き寄せ、つながっているのです。