つきまとう「憂鬱」の原因は何か?
先日、ある雑誌の取材を受けました。テーマは、「30~40代の憂鬱」。事前の取材で、同世代の読者から次のような“症状”が出てきたそうです。
・以前より「仕事がつまらない」と思うようになった
・友達がいなくなった。休日はひとりで寝て過ごす
・1年間があっという間に過ぎて何も変わっていない
・職場にお手本となる人がいなくて「次」が見いだせない
・恋愛をしなくなった。ひとりでいい。
・おしゃれや化粧をしなくなり「こんな自分でいいのか」と不安になる
切実なる30~40代男女の「声」に関して意見を求められました。全体を見渡して、私はこれらの悪循環の根本は、
「変化していない!」
この一点に尽きると分析しました。
▼「安全・安心・安定」を得る代わりに失うもの
私たちはすぐにパターンの呪縛にハマります。特に、「安全・安心・安定」という3つの利益を得る代償として「退屈・停滞感・閉塞感」を引き受けることになります。
私たちの心理は、「いつも通り」を維持することを本能的に求めます。なぜなら、変化そのものが生存への脅威であり、安定の敵だからです。
図は、人の心理領域を示したイメージ図です。
「現状領域」とは、いつも通りを繰り返す変化のない世界です。ここには、「安全・安心・安定」の3点セットがあります。一方、マンネリ感や停滞感も発生します。
「変化領域」とは、いつもとは違うことをやる変化に満ちた世界です。ここには、「危険・不安定感・恐怖」がありますが、一方で成長感や新鮮さ・緊張感も存在します。