すべての商談が同じようにいくとは限らないが、客はWILLパワーを失うと、商談の最初の頃のように厳しく商品を吟味せず、「それでいいよ」と簡単に購入を決定する可能性があることを覚えておいて損はない。
また、ランチ商談でもWILLパワーを意識したい。ただ、この場合、客のWILLパワーの減退を待つのではなく、パワーが一定量まで高まるのを待つ。
「人が判断・決定する力は、体内の血糖値と比例する傾向があります。挨拶早々に商談を始める人をしばしば見かけますが、それでは客はYESと言いづらい。空腹で血糖値が低くWILLパワーが低すぎるのです。だから最初は雑談でコミュニケーションを十分にはかり、食事をして血糖値(WILLパワー)が高まったところ(約30分)で商談するといいのです」(同)
(中野伸哉=イラストレーション)