マナーコンサルタントの宗像智子さんによると、最近は営業マンだけでなく作業員や技術者向けのマナー研修の依頼が多いという。

「ある空調関係のメンテ会社では、作業員向けのマナー講習がよく行われます。作業先は大手企業ですので、粗相があってはならないのは当然ですが、作業員が好印象をもってもらえれば、新たな企業を紹介してもらえるなど、ビジネスチャンスが広がる可能性もあります。逆に作業員のコミュニケーションマナーがおろそかだと、大口の契約を失うこともありますからね」

マナーがなっているかどうかは個人だけでなく、社員教育をきちんとしている信頼のおける会社かどうかの判断材料にもされるのだ。

では、重要となる顧客を訪問した際のマナーについて、おさらいしておこう。

「訪問先には10分前に着いて会社の受付には五分前に行くのがベストです」

夏の暑い時期に心がけたいのが、汗だくで客先に向かわないことですと宗像さんは注意を促す。

「汗だらだらの顔で来られたら、印象がよいはずありませんからね。少し前に着いて近くのコンビニで汗を引かせてから訪問するくらいの余裕をもって行動しましょう」

訪問先へは時間厳守であるが、もし約束の時間に遅れそうなときには「申し訳ありません、○分遅れます」と、電話を一本入れておくこと。

清潔感とキビキビした動きが好印象を与える

受付では、挨拶をした後に社名と名前を告げて、アポイントの日時や訪問先の部署と担当者を正確に告げる。

初めて会う相手に対しては第一印象が勝負。糊の効いたシャツ、プレスの効いたズボンなど清潔感ある身だしなみを徹底させよう。

「意外と気にされていないのが靴下。スーツに白いソックスはNG。黒かスーツの色に合わせたものにします。本当は膝までのソックスがベストです」

長いソックスは相手に不快な印象を与える生の脛を見せないため。

さらに差をつけるなら指や手のお手入れだ。ビジネスシーンで指や手を見られる機会はとても多い。爪が伸びていたり、汚くなっていないかは常に気にしておきたい。