応接室に通されたものの先方が部屋にくるまで、椅子に座って待っていてよいのだろうか?それとも、立って待つべきなのだろうか?

「とりあえず浅く腰掛けて、すぐに立て体勢でお待ちするのがよいでしょう。足音がしたり、ドアがノックされたら、すぐに立ち上がってお迎えします」と宗像さんはアドバイスする。

相手が入室したら「お忙しいなか、お時間をいただきましてありがとうございます」と挨拶をして、相手が座ったのを見てからこちらも座る。

相手に気を使わせないためにも必要なのが観察力である。

「もし相手が商談中に腕時計をちらっと見たとしたら、『お時間は大丈夫でしょうか』とこちらから言います。相手に『今日は、ありがとうございました』と言われたら、話を切り上げて帰るタイミングだと気付いてください」

無神経にずかずか話を進めるよりも、迷惑にならないことを心がけていますという態度のほうが好感をもたれやすい。押しの強さ一辺倒だけが褒められるわけではないのだ。

●顧客訪問の心得
1. 訪問先のビルの入り口で、コートは脱ぐ。
2. 訪問先には10分前に着いて、受付には5分前に向かう。
3. 受付では、挨拶をして、社名・名前を名乗り、訪問先を告げる。
4. 部屋に入ったら、椅子に浅く腰掛け、担当者が入室したら、立ち上がって挨拶をする。
5. もし、約束の時間に遅れそうなときには、客先に1本電話を入れる。

●訪問マナー
1. 清潔感ある身だしなみを徹底して、第一印象をよくする。
2. スーツに白いソックスはNG。黒か、スーツの色に合わせたものをはく。膝までの長いソックスがベスト。
3. 手元で差をつける。ビジネスシーンでも、名刺を渡すなど手を見られる機会は多い。爪や手が汚れていないかチェックする。
4. 顧客には、今日伝えたいポイントがいくつあるのかを先に伝えて、話を始める。「本日、お伝えしたいポイントは3つあります」

マナーコンサルタント 宗像智子
MOMO Style 代表。ライフスタイルマナーコンサルタントとして企業向け研修を数多く行う。著作に『知って得する モテる男のマナー講座』がある。
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