訪問先の応接室に通されたものの、どこに座ったらよいのか、また、お客様を誘導する際、自分はどこにいればよいのか……。迷わないために、上座や下座の席次を覚えておきたい。状況によって例外も多く、臨機応変にしなくてはいけないが、上座、下座を知ったうえでの対応とそうでない対応の違いは大きい。
「応接室での席順は、一般に部屋の出入り口から遠い席が上座になり、近いところが下座になります。また景色や絵画がよく見える場所が上座と考えてください。ただし、あくまでもこれは原則論で、上座でも直射日光が当たるなど、快適でない席であれば、一言『こちらへどうぞ』と機転を利かしてご案内します」(マナーコンサルタント 宗像智子さん)
客先を訪問した場合、こちら側が上座に座ることになる。もちろん相手から促された席に座ればよいのだが、指示されなかった場合、長椅子があったら基本的にそこに座れば間違いはない。
応接室に来客を案内する際にもマナーはある。
「部屋について、中に誰もいないのがわかっていても、3回ノックをしてください」
ドアが部屋側に開く内開き扉の場合、自分が先に入り、ノブを握りかえて、お客様を招き入れる。ドアが手前に開く外開き扉の場合は、ドアを開けた後、お客様を先に通す。
エレベーターでは、扉や操作盤に近いほど下座となり、中央の奥が上座になる。
「エレベーターに誰もいなかった場合は『失礼いたします』とことわって自分が先に乗りこみ、操作盤の開ボタンを押してお客様を迎え入れます。すでに誰かが中にいたときは扉を押さえて、お客様を先にお乗せする。降りる場合には『開く』のボタンを押して、お客様に『どうぞ』と先を促し降りていただきます」