北朝鮮が、日本に多くの債務を抱えていることは、北朝鮮研究者の間ではよく知られている。すなわち、北朝鮮は日本に多くの借金を抱えているのである。しかし、拉致問題をめぐる日朝交渉があるとはいえ、北朝鮮の対日債務について問題提起されたという報道もない。しかし、この問題は、日朝交渉でいずれ浮上すると考えられる。
国際社会の冷たい視線もどこ吹く風の金正恩第一書記。(時事通信フォト=写真)
北朝鮮は、1970年代に日本企業からプラント類や各種の機械機器類などを長期延べ払いによって大量に輸入した。これは、北朝鮮の産業施設を刷新して、生産能力を高めることを目的としていた。ただし、その生産物の多くは国内消費に回ったため、外貨稼ぎにはあまり役に立たず、たちまち債務返済のための外貨不足に陥った。
1976年にはその支払いが事実上不可能になった。そこで債務返済を繰り延べるために返済スケジュールを変更(リスケ)する必要に迫られた。76年に平壌で日本の債権者による交渉団と朝鮮貿易銀行との間で第一次リスケ合意書が締結され、一部支払いを2~3年猶予することになった。それでも、北朝鮮は日本との約束の利子支払いの履行が困難となり、79年には第二次リスケ合意書が締結された。この合意書では、89年までの10年間で20回の分割で返済することになり、延滞金利、元本の支払い、金利計算の利率などが取り決められた。
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