自民党本部(東京・永田町)で5月15日に開かれた農業関係会議の開始直前、西川公也前農林水産大臣が上座中央にゆっくりと着座した。地元・栃木の木材加工会社などからの数百万円の違法献金を追及され、2月に農水相を辞任していた。「いくら説明してもわからない人はわからない」と記者団に開き直ってから3カ月、「ほとぼりがさめた」と5月、党の農林水産戦略調査会長に就任した。

西川氏は、首相官邸から農水相ポストをちらつかされて、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)反対派の筆頭から、180度立場が逆の推進派に寝返ったとされるいわくつきの人物だ。政権に忠誠を誓うものが、能力とは別に重要なポストを占めていく。
官邸が党を抑えて主導権を握る「政高党低」が言われて久しい。背景には、官邸の巧みな人事戦略がある。政権に批判的な“うるさ型”に政府のポストを割り当て、政権側に取り込んでその批判を封じる手法だ。
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