相手の肩書の軽重で頭の下げ方を変えてはならぬが、「仕事の場面」別の謝罪効果を最大化するコツは知るべし。
「ちょっと怠けているだけ……」その身勝手さが逆鱗に触れる
冠婚葬祭で仕事を休む、とウソをついてゴルフへ行き、ついプレーの写真をフェイスブックに載せたところ会社にバレた、といった事例は少なくない。そのときの対処が人生の分かれ道になる、と立正大学講師で心理学者の内藤誼人氏は語る。
「そんなことぐらいで、怒るなよ」
意外に目立つのはそんな盗っ人猛々しい態度の社員。これでは会社をさらに怒らせることは間違いない。言葉では謝るものの、その顔には「許してよ、みんなやっているんだから」という気持ちが表れてしまうことがあり、聞く側はそんな表情に極めて敏感なのだ。
「営業中のサボリや、アポイント時間に数分遅刻したなど、小さなミス・失点ほど『本当に申し訳ございません』と大きく謝ることが大事なんです。そのことで、折り目正しく対処ができる人間だと評価されるとともに、上司との人間関係も良好に保てるのです。ハーバード大学の研究では、浮気などで大げんかして破局にいたる夫婦より、日常生活のなかの小さな“カチンとくる”ことの積み重ねにより離婚する夫婦のほうが多い、という報告があります。社内の人間関係もそれと似ていて、ちょっとした失点を放置したり、謝罪をいい加減にしたばかりに、修復不可能な関係に陥ることがあるのです。そうなれば部下の立場は危ういものになる」(内藤氏)
謝罪の急所:小さな失点こそ大きく謝る
内藤誼人(ないとう・よしひと)
心理学者。立正大学講師。有限会社アンギルド代表としてコンサルティング業務をする一方、執筆業に力を入れる心理学系アクティビスト。
心理学者。立正大学講師。有限会社アンギルド代表としてコンサルティング業務をする一方、執筆業に力を入れる心理学系アクティビスト。
(大塚常好=構成)