結婚、出産、マイホーム購入……人生にはいろいろな分岐点がある。その都度、「現在加入の保険がベストかどうか」不安──。そんな人に、家計再生コンサルタントの横山光昭氏がお届けする、世代別・家計別の保険の見直し術。
A:「完済&ゆとり住み替え」家計
年収:夫520万円(ボーナス年間100万円)妻60万円
貯蓄額:800万円
家族構成:夫57歳(会社員)、妻58歳(パート)、29歳(男)、22歳(男)いずれも独立
表を拡大
A:50代「完済&ゆとり住み替え」家計

Aの「完済&ゆとり住み替え」世帯の夫は非常にマメな人。家計の収支や保険選びにも熱心で、保険は、約20年前に住宅ローンを組んだときに夫自身が決めた。子供たちが大学卒業までは教育費がかさんだが、すっかり独立した後は、年間約300万円も貯金し、計画的に繰り上げ返済を(1年前に完済)。

現在の貯金は800万円だ。最近の夫の口グセは「自分たち(夫婦)の葬式代もあるし、あとは定年まで(あと3年)頑張ってどれくらいお金を貯められるか」。さらに、問題なさそうに見える保険もこの際、しっかり見直しをしたいという。

「ご主人の加入していた定期保険特約付き終身保険は、入院特約、障害・災害割増などが含まれ、死亡時には1200万円が出るもので、保険料も年齢の割に極めて安い。今では考えられないお得な保険です。特約部分を除く終身保険に関しては見直しの必要はなく、大事に継続すべき。ただ、この商品ではがんをカバーしていなかったので、ご夫婦同時にがん保険(診断されると、一時金200万円)に新たに加入することにしました。がん手術・治療による貯金切り崩しを防ぎたい思いがありました。また、がん以外の病気入院などは貯金でまかなえるとの判断です」(横山さん)