結婚、出産、マイホーム購入……人生にはいろいろな分岐点がある。その都度、「現在加入の保険がベストかどうか」不安──。そんな人に、家計再生コンサルタントの横山光昭氏がお届けする、世代別・家計別の保険の見直し術。

最初から、「理想の保険」を目指さない

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ライフイベントとともに必要な保険保障額は変わる

給料が手取り28万円なのに、保険料は毎月6万円――。そんな人が実在します。保険内容や保障額が手厚くても、家計に占める割合が大きすぎるのは明らかです。似た事例は、どの世代でもしばしば見受けられます。

家計は、「木の幹」のような存在。幹からは「支出」の枝が伸びて葉がついている。保険もその枝のひとつです。いくらいい保険でも、その保険料を支える幹が細ければ枝が重くてダラリとたれさがってしまいます。そんな枝がついたら屋台骨の幹に大きな負担がかかってしまう。

枝だけ見てもダメで、幹に見合った枝ぶりであることが大事。ですから、最初から理想的な保険にしようとしないで、幹である家計のバランスのなかで考えていくべきなのです。

人生いろいろ。結婚し、子供が生まれ、住宅を購入……とハッピーなことがある一方で、リストラや出向、給料減といった試練が待ち受けることもある。

重要なのは、そうしたライフステージとともに家計のバランスは少しずつ変化し、それにフィットした保険の内容や保障額も変わることを理解しているかどうか。理解していれば、その都度、保険の見直しを自然にすることになるでしょう。

例えば、子供が生まれたとき。人生で初めて、死亡保障の生命保険に加入する人も多いのではないでしょうか。それから20数年――。子供が独立するまでは、一定の保障額が必要ですが、晴れて独立したら保障額を下げられるので、このときも保険を見直すタイミングです。

マイホームを購入したときも見直しのいい機会です。住宅ローンを組んだらたいていの場合、「団体信用生命保険(団信)」に加入するからです。団信とは、死亡したり高度障害になったりしたときに本人に代わって住宅ローンを支払う保険。ローンの返済はこれでカバーできるので必要な保障額が減らせます。この死亡保険の重複(かけすぎ)は住宅ローン世代だけでなく多くの世帯で見られます。