延々と続く会議ほどうんざりするものはない。参加者が脱線したり長々と演説をぶったりしないようにするのはマネジャーの責任だ。だが、厳しく管理したり創造性をつぶしたりせずに参加者の集中力を保つにはどうすればよいのだろう。
会議の運営は理論的に難しいものではない。マネジャーは自分が何をするべきかをおそらくすでに知っているはずだ。だが、困ったことに、会議を脱線させないためには規律が必要で、それなのに会議をきちんとやる努力をする人はほとんどいない。
「実のところ、人々は望ましい会議のやり方について考えたこともなければ訓練を受けたこともない。でなければ、ただ単に忙しすぎる」。こう語るのは、“Extreme Productivity”(並はずれた生産性)を書いたハーバード大学経営大学院上級講師で、ブルッキングス研究所上級研究員のロバート・ポーゼンだ。
「組織はますます速く動くようになっており、自分が招集した会議について事前にじっくり検討する時間があるマネジャーはほとんどいない」と、組織心理学者で“Smart Leaders, Smarter Teams”(賢いリーダー、より賢いチーム)の著者、ロジャー・シュワーツは言う。だが、今時間を惜しんだら、後でもっと時間がかかる。次の会議を最も生産的なものにするにはどうすればよいかを紹介しよう。
目的を明確にしよう
会議の目的を事前に知らせておくことで、多くの問題を防ぐことができる。インテル本社の会議室には「会議の目的を知らない者は、会議を始めてはならない」という言葉が掲げられていたと、シュワーツは言う。これは賢明なルールだ。何について議論する会議なのかを参加者が理解するよう、事前に議題と参考資料を送付しよう。その会議で議論しないことのリストも送付することを検討しよう。
議題は質問の形で記すとよいとシュワーツは言う。「ビデオのスケジュールについて議論する」ではなく、どのような成果を念頭に置いているかを伝えるために「ビデオはいつ完成するか?」と書くわけだ。それぞれの議題の隣に、参加者の役割を示しておいてもよいだろう。