会議など時間の無駄と思っている人は多い。しかし、上手に運営される会議は会社の利益を左右する重要なプロセスとなりうるのだ。では、その方法とは。
参加者の3大不満とは何か
医療サービス会社のコミュニケーション・ディレクター、テレンスは、出席するあらゆる会議について不平をいっている。なのに、経営幹部チームが彼の担当分野についてある決定を下したときに、それについての会議に自分が呼ばれなかったことに激怒した。
彼の行動は一見矛盾しているようだが、そうではない。テレンスの不満は、ほとんどの会議が非効率で焦点の定まらない時間の浪費であるということと、参加者についての配慮が不十分なままだというという2点に集約されている。
「会議への不満で最も多いのは、非生産的、時間が長い、最初から不必要、の3点だ」と、アトランタの経営コンサルタントで能力開発トレーナーのフランシス・A・ミケールはいう。『Not Another Meeting! A Practical Guide for Facilitating Effective Meetings』(2002)の著者としても知られるミケールは、次のように語る。「それでもうまく運営されれば、会議は組織にとって有意義なものとなり、常に生産的な会議が開かれれば、会社の業績はもっと上がるだろう。会議がよくなることは、社内のコミュニケーションが円滑になり、よりよい決定が下されるようになるということなのだから」。
かつて組織がもっとピラミッド型だった時代には、今日ほど頻繁に会議を開く必要はなかった。だが、職場がよりフラットになるなかで、組織は情報を共有したり、まわりからアイデアやアドバイスを得たり、みなで決定を下したりするために、より多くの会議を必要とするようになっていると専門家は語る。さらに、企業間の合併や提携が盛んになったことで、社外の会議も増えている。
しかし、お粗末な会議は時間とカネを浪費する。本当にためになる会議を願う管理職のために、実践的なアイデアをいくつか紹介しよう。