上司の性別より人間性を見る人は増えているが……
私の夫が生まれた年、1953年には、男性上司より女性上司のほうがよいと思っていたアメリカ人は、全体の5%にすぎなかった。最新のギャラップ調査(米国の代表的な世論調査)によると、その数字は23%に上昇している。同時に、男性上司の下で働くほうがよいと思っている人の割合は大幅に低下、53年の3分の2から、約3分の1になっている。
さらに重要な変化は、どちらかを選ぶよう暗示を与えられていたにもかかわらず、どちらでもよいと答えた人が大幅に増えたことだろう。ギャラップの質問は、「新しい仕事につくとき上司を選べるとしたら、あなたは男性を選びますか、女性を選びますか?」だった。53年には、どちらでもよいと答えた人は全体の25%にすぎなかったが、今日では41%がそう答えている。明るいニュースはもう一つある。今日では、性別よりも全般的な人となりで上司のよしあしを判断する人が増えていることだ。男性の特権とも言えるものは、もうかつての姿をとどめてはいない。
だが、状況はうわべほど明るくはない。現在、男性上司の下で働いている人は、そうでない人の2倍、男性上司を好む確率が高い。共和党員のなかでは、女性上司のほうがよいと思っている人は、わずか16%。女性たちの前には今なお険しい坂が立ちはだかっており、昇進のパイプラインを整備すれば解決されるという問題ではない。18歳から34歳までの若い世代は、35歳から54歳までの世代より男性上司を好む人の割合が高く、どちらでもよいと思う人の割合が低いのだ。
最も衝撃的なのは、男性上司の下で働くほうがよいと思っている人が、男性の29%に対し、女性は40%もいることだ。女性は、女性上司を好む傾向も男性より高く、男性の18%に対し、女性の27%が女性上司のほうがよいと思っている。