女性管理職にまつわる大間違い

「せっかく管理職になってほしくて、声をかけても、女性がなりたがらないんですよー」

どこの企業でも、政府の委員会でも必ず聞く、このセリフ。しかし「ワーキングマザーはお荷物」と同様、人々がよく耳にする言葉ほど本質からは遠い気がします。

確かにこれだけ政府が「女性活躍推進」「2020年までに指導的地位女性の登用を30%に」と声をかけても、実際に「管理職になりたい!」と目を輝かせる女性にはそれほど出会えない。(ま、そういった若い男性も減っていますが)。

いったいなぜなのか?

それは女性にとって「今の管理職」があまりに魅力やメリットがないからです。

「下手したら残業代がなくなる分、給与も低くなり、責任は重くなり、残業は増える」わけです。女性は現実的な動物なので「地位」や「権力」にはひかれません。

「女性は自信がない人が多いから研修すればいい」とか「女性はリーダーシップに欠けている」などというのは大間違いではと思います。

それでは彼女たちにとってのメリットとは何なのか? それを考えずに「管理職」を増やそうとしても、一定数でとまるでしょう。

カルビーの松本晃会長は「男は何か知らないけれど偉くなりたい。女性は賢いから断る。女性は頭がいいから責任と報酬が見合っているかを計算できるんです。明日から年収1億円と言われたら、女性だって管理職になると思います」と言っていました。

確かに、1億円あれば家事や育児の外注もできるし、職場から近い家に住むことも可能です。「お金」は目に見えない「地位」より魅力的です。