寿転職という手もあり
しかし活況だからと言っても転職によるミスマッチがあるのではないでしょうか?
例えばWLBが悪い企業からは子育て期の女性が去っていく。去られた企業は女性を補填したい。しかし転職市場にいる女性たちはWLBを求めている。そんなミスマッチが容易に想像できます。
「確かにあります。女性採用にトラウマがある企業は30代女性は『結婚、出産で辞めそうだから』という理由で敬遠します。そんな企業には20代半ばの女性はすぐに決まります。しかしベンチャーなどでトラウマのない企業は違います。常に人手不足だし、優秀なら時短でもなんでも人がほしい。例えば外資系ITで年棒1000万の人がいる。彼女は5時6時で仕事を切り上げたいという希望です。そこで働く時間は自由で『年収600万』という歩みよりがあり、転職に成功しました。女性は無理は言わない。ちゃんと譲歩する術を知っています」
こういった転職は他でも取材しましたが、企業サイドとしては「半分の年収で優秀な人材を確保できた」というありがたいケースになります。
それではどのタイミングで転職するのがいいのでしょうか? 最近私が取材したのは「寿転職」。20代の女性が結婚を機に退職する。しかし実は転職もしっかりしている。これからの出産、子育ての両立を見据えて、結婚した時点でWLBが悪い企業から去っていくというケースです。
「確かにライフスタイルが変われば働き方も変わる。女性ならではの転職だと思います。転職時点で『結婚、出産予定』を不利になるから明かさない人もいますが、マッチングのためにそこはオープンにするべきでしょう。
それに比べると、子どもがいざ産まれてからの転職は確かに厳しいです。しかし欲しがられる人材はいます」(松本さん)