男のように働く女性リーダーではなく、真の女性型リーダーを発掘・育成する。そんな取り組みが始まった。その実践的研修と採用のプロセスをレポートする。
女性管理職が増えない12の理由
「戦後、強くなったのは女性とストッキングだ」というフレーズが流行したことがあったが、果たしてその女性たちの力を日本企業はうまく活用してきただろうか。
残念ながら、大手を振ってYESとは言えないだろう。ILO(国際労働機関)の調査(2008年)によれば、女性の管理職比率の国際平均は30%。アメリカ43%、フランス39%、ドイツ38%に対して日本はたったの9%。頑張って働いても、なかなかリーダーにはなれない。これが日本の働く女性の現実だ。
なぜ日本女性の管理職比率は低いのかを探るべく、PRESIDENT誌は働く男女を対象に、ネットを使ったアンケートを実施した。その結果が表である。項目によって、男女別に回答差が表れる結果となった。
【調査概要】gooリサーチとの共同調査により、インターネットを通じてアンケート調査を実施。調査期間は2012年7月18~20日。回答者20代後半~40代の働く男女。男性577人、女性486人。
うち、男女差が唯一出なかったのが、(2)「結婚や出産を契機に辞める女性が多い」という項目である。これは事実、そうなのだろう。辞めてしまえば、キャリアは中断し、管理職への道も途絶えてしまう。ではなぜ「辞めてしまうのか」という理由づけに、以下に述べるような男女差が表れている。
女性は、(1)「企業内の仕組みの欠如」、(3)「社会インフラの不足」、(4)「上司や同僚の無理解」、そして(5)「家事や育児に対する夫の怠慢」にその原因を帰している。つまり、企業、社会、男が三大悪というわけだ。