決定権がないのがストレスだった

大和証券グループ本社 執行役 広報担当 CSR室 兼 総務部管轄 植原恵子
大和証券グループ本社 執行役 広報担当 CSR室 兼 総務部管轄 植原恵子

「やっと入った会社だったので、すぐに辞めるつもりはありませんでした」

2009年4月、大和証券グループで初めて生え抜きの女性役員に就任した植原恵子さんは就職当時を振り返ってこう話す。植原さんが大和証券に入社したのは1982年。男女雇用機会均等法施行前で、女性は一般職採用のみだった。それも短大卒の採用がメーンで、大卒の女性は就職にとても苦労したという。

開口一番、「初めてのことですから、(私を役員に)指名する方も勇気が要ったでしょうね」と笑う。

異動を重ねてどんどんポジションが上がっていった植原さんだが、仕事の仕方や自分の中での意識が変わったきっかけはなかったかと聞くと、「とくにありません。役職・ポジションが人をつくると思っています」という返事が返ってきた。

「だからこそ、能力ある人は男女問わず、思い切ったポジションに就けるべき」

植原さん自身、管理職になることで仕事への意識は自然と変わっていった。自分がプレーヤーのときは、自身の成果に一喜一憂する。しかしリーダーになると、それは二の次だ。

「違う個性を持つ部下が、チームとして気持ちよく仕事をしてくれることがすべて。私はそれをバックアップするだけです」