「男のようなリーダー」から女性型リーダーへ

翌週の月曜日が合同面接会だった。まず午前中は採用を希望する企業の担当者向けに、「ダイバーシティ経営」を進めるためのポイントを解説するセミナーが行われた。講師は、リーダーシップ研修を担当した同じ2人のイギリス人女性。計11社11人が参加、こちらもグループワークが中心だった。

会場が1番沸いたのが、前方のスクリーンに、7人の外国人男女が正面を向いた写真が示され、「どの人を採用したいか、選べ」というグループワークだった。ターバンを巻いている女性、白髪の上品な白人男性、日本人そっくりの若い男性、にこやかに微笑む白人女性……。何を基準に選べばよいのか、皆、考えあぐねているようだ。次に、それぞれの人に短い説明が加わった。ターバンの女性は「毎日の門限が7時」、日本人そっくりの男性は実は「日本語ができない」、白人女性は「日本語の読み書き堪能」……。情報を与えられて、みんな一安心という顔になる。そこで講師が、何の情報も与えられない場合、何を基準に採用する人を決めようとしたか、そのプロセスの振り返りを各自に求めた。

その答えは、人それぞれの好みに左右されるということ。特に「昇進や昇格を決定する場合も含め、自分に似ている人を選ぶ傾向が強い」という。そういえば、後ろで見学していた筆者も、無意識に自分と同じようなタイプの男性を選んでいた。

このことが何を意味するのかというと、女性を含めた多様な人材を採用し、うまくマネジメントするには、採用する企業側にも多様な人材が必要ということ。そうでなければ、採用する人材が偏ったものになってしまう。

こうしたセミナーを企業向けに行う理由を、福井氏はこう述べる。「女性管理職がうまく活躍できる風土をつくるには、本人がいくら優秀でも駄目です。経営者の覚悟が50%、本人の能力が30%、周囲のサポートが20%、このすべてが揃わないと」。