分譲マンションを購入してほっとしたのも束の間、すぐ「修繕積立金」と「管理費」という2種類のお金を毎月支払うことになる。前者は、鉄部の塗装や外壁の補修、屋上の防水など数年から十数年おきに行う修繕工事のために積み立てるお金だ。通常、分譲当初に立てられた長期修繕計画に基づいて算出されている。
一方、建物や設備の日常的な維持管理を目的に徴収されるのが、後者の管理費だ。具体的には管理人の雇用、エントランスや廊下の清掃、経理など事務処理の費用などに充てられ、大部分は管理会社へ「管理委託費」として一括で支払われる。その金額は、やはり分譲当初に建物や設備の設計・仕様、グレードなどをもとに算出されている。
それでなくても月々の住宅ローンの支払いや子供の教育費に頭を痛めている人が多いだけに、こうした修繕積立金や管理費が低く抑えられているのなら、それに越したことはないと考えがちだ。
しかし、表向き安いからといって喜んでいると、後で思わぬしっぺ返しを受けることがある。たとえば、修繕積立金の金額を分譲当初は低くし、その代わり将来2~3倍に引き上げたり、工事の際に何十万円もの一時金を集めたりする予定になっていることがある。
また、管理費で気をつけたいのがマンションの駐車場料金を管理費会計に組み込んでいるケースだ。
1部屋に1台分の駐車場を確保していることをセールスポイントにしたマンションがよくある。たとえば、100戸のマンションで、月極めの駐車場料金が3万円だったとすると、毎月の料金は300万円、年間では3600万円にもなる。その半分以上を管理費会計に組み込んでいることが意外に多いのだ。