分譲マンションの資産価値を維持する方法として知っているようでいて、意外と多くの人が知らないもの――。それが「アフターサービス」である。

自動車や家電製品を買うとメーカー保証がついており、故障したりすると保証の範囲内で無料の修理が受けられる。これがアフターサービスだ。民法では、売買の対象物に通常の注意では発見できない欠陥があった場合、契約解除や損害賠償請求ができる「瑕疵担保責任」の規定がある。しかし、一般にはアフターサービスのほうが簡便で使いやすく、広く利用されている。新築マンションでも、引き渡しから一定期間内に建物や設備に不具合があった場合、売り主の不動産会社が無償で補修するアフターサービスがついている。

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中高層住宅アフターサービス規準の主な内容

どの個所について、何年間保証するかは、個々の売り主が設定しているアフターサービスの規準によるが、業界団体がそれぞれ目安を作成しており、社団法人不動産協会の「中高層住宅アフターサービス規準」を見ると、引き渡しから2年までとされている部位が大半を占める。

では、購入したばかりの新築マンションにどれくらい不具合があるのかというと、これがかなり多い。工場生産される自動車や家電製品と違い、マンションなどの建築物は屋外でほとんどの作業を人手に頼り、しかも一つずつ異なる設計にもとづいてつくられる。そのため、一定程度の不具合が必ずといっていいほど発生するのだ。引き渡し前に内覧会で購入者がチェックするといっても、それは自分の部屋のなかが中心で、建物や設備の多くを占める共用部までは目が行き届かない。

これまで当社が調査したなかには、壁に本来入っているべき鉄筋が一部抜けていたり、大地震の影響を軽減するため柱と壁の間の縁を切るスリットがないといったケースがあった。一つのマンションで共用部の不具合をまとめた資料の厚さが10センチメートル以上になることも珍しくはない。最近は工事費を抑えるため、工期短縮の要求が厳しくなっており、新築マンションで不具合が起こるリスクは高まっていると見たほうがいい。