新築マンションのほとんどは、建物が完成する前に販売が開始される。そのため購入者は、モデルルームを見て売買契約を交わすしかない。当然のことだが、モデルルームは実際に購入する部屋とは広さも間取りも異なる。だから後日、竣工後の内覧会で自分の部屋に入ってみて「こんなはずじゃなかった」という場合もままある。なかでも多いのが、「実際の立体的な空間が想像していたものと違う」といった意見だ。

それをなくすためにも、モデルルーム見学時にチェックすべきポイントがある。新築購入時にはマイホームの夢が膨らんでいて、ついドアの形や床の材質、壁紙の色合いや感触、オプション家具の豪華さなどに目がいってしまいがちだ。しかし、絶対に確認が必要なのは、梁の位置や床といった構造上の問題である。

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モデルルームでおかしがちな2つの勘違い

モデルルームには、必ず分譲マンションの図面集が置かれている。まず、そのなかの自分が購入したい部屋の「平面図」を見てほしい。そこには、リビングおよび寝室の天井高が「250センチメートル」などと記されている。そして、図面を注意して見ると、図のように壁に沿って破線が描かれているのがわかるだろう。

実はこれが、梁が通っている部分なのだ。そこに「200センチメートル」とあれば、「250-200」で梁が天井から50センチメートル下がっているわけだ。これを見落としてしまうと、内覧会で気づいて驚くことになる。寝室でベッドの頭の部分を梁の下に置き、梁が50センチメートルも下に張り出していると、かなり圧迫感を感じるはずだ。

次に床だが、マンションの床には2種類ある。コンクリートの上に直接フローリングを張る直床と、コンクリートに足を立て、その上に張る二重床だ(図参照)。直床の場合、下の階に音が響かないようにクッションが敷いてある。モデルルームでは、スリッパをはいているから気づかないが、内覧会のときに靴下で歩くと床が沈む。人によっては違和感を覚えるだろうが、二重床への変更はできないので気をつけたい。