一つの道を極めた専門家が愛用する道具は一味違う。厳選されたアイテムを一挙に公開する。

スーツがヨレヨレでは「超富裕層」に会えない

加納達也さん

「仕事道具選びの基準はお客様からどう見られるか。お洒落は二の次です」

野村証券渋谷支店の加納達也さんは“超富裕層”を中心に扱うウェルス・マネジメント課に所属し、資産家や経営者など約200口座を担当している。昨年は上期・下期の両方でCEO表彰を受けた。顧客の信頼に応える第一歩は「身だしなみです」と話す。

「相場や商品の勉強は大前提。そのうえでやれることはすべてやる。入社1年目のとき、ようやく会えたお客様に『君の熱意はわかった。でもそんなヨレヨレのスーツを着た人間に大金を預けようとは思えない』と言われ、考えを改めました。どんな些細なことでも、お客様を不安にさせたくないんです」

以来、スーツからボールペン一本に至るまで、顧客目線で選んできた。身だしなみを注意されたのは新人時代の一度だけだが、それからずっと「一挙手一投足に点数をつけられている」という意識を持っているという。

「営業は準備がすべて。新聞や雑誌、レポートにはすべて目を通し、シナリオを綿密に組み立てていきます。大きなビジネスチャンスは、だいたい世間話から始まります。準備不足の状態でお客様に会うのは逆効果でしょう」

最新市況から靴下まで。“穴のない”準備が、顧客の心を動かすのだ。

加納達也さんの必勝アイテム

●派手なストライプは×。スーツにお洒落は不要

社内では「2日連続で同じスーツを着るな」との指示もある。加納さんはシーズンごとに7着を新調。「意識するのはサイジング。お洒落の必要はないので、派手なストライプは避けます」。

●床置きでも「自立」し、資料を一覧できる

カバンは異動ごとに買い替える。これは2年前に購入した「ミラショーン」のダレスバッグ。こだわりは口を開くだけで中の書類を一覧できる点。椅子の横に置いたとき自立するタイプが○。