一つの道を極めた専門家が愛用する道具は一味違う。厳選されたアイテムを一挙に公開する。

海外駐在で磨かれたノンブランドへの目利き

吉武 耕さん

JTBコーポレートセールスの吉武耕さんは、現在、日本企業の海外進出をサポートする「ラピタ」という事業を統括。かつてはシドニーで1年、パリで5年、駐在員として働いた。

「英語は苦手ではなかったんですが、シドニー駐在中の現地との会議で語学力不足を痛感させられました。それで会議中に出てきた単語を通勤電車の中で調べ始めたのが、このオリジナル単語帳のはじまりです。パリではフランス語を学びましたが、フランス語は現地と打ち解けるのが目的でしたので難しい言葉を覚える必要はなかった」

勉強やビジネスで使う道具に対する吉武さんのこだわりは、徹底した実用性にある。重宝しているというTo Doリストはコピー用紙の裏紙、ボールペンもドイツのホテルで宿泊した際に見つけた「モンブランもどき」だ。

「気に入ったものなら、何でも長く使うタイプ」だと言う。吉武さんに接していて誰もが感じるのは、高級ブランドを身につけていないのに、安っぽくなく、高いセンスが漂っていることだ。

「時計はシドニーでいいなと思ったものをずっと使っています。(国旗のデザインがあしらわれた)名刺入れはフランスで買いました」

パリ、シドニーと海外を渡り歩いた男の面目躍如というところだろう。