一つの道を極めた専門家が愛用する道具は一味違う。厳選されたアイテムを一挙に公開する。
ボスの考えに合わせて最適なものを選ぶ
日本秘書協会のベストセクレタリー賞に選ばれた「日本一」の秘書、中村由美さん。中村さんはカレーチェーン「壱番屋」で、創業者から3代にわたって社長秘書を務めてきた――。
秘書の仕事は、ボスのスケジュール管理のほかに事務作業、お礼状作成、冠婚葬祭のセッティングなど。ボスの仕事が円滑に進むようサポートするのが秘書の務めであり、自分が前に出るというよりは、「ボスの考えに合わせて使う道具を選ぶ」という、ほかの職種にはない特徴がある。
「たとえば私が使っているスケジュール表は、創業者・宗次徳二の嗜好が強く反映されていて、曜日は日曜始まりです。相手によって、そして状況によって道具を選んでいく」
中村さんは、自分に与えられた仕事スペースによっても道具を変える。
「大きなスペースを与えられたときに最適だと考えていた仕事道具も、オフィスが変わればさらにそこから厳選しなくてはいけません」
絶対に必要なもの、要らないものの選別は簡単だが、「今後ひょっとしたら必要かもしれないもの」を捨てる判断が難しいという。
「100円ショップにも売っているような、機能がシンプルな道具が、結局最後には残っていますね」